Novartis
ノバルティスは、競合他社の市場撤退を受けて、そのシェア争奪合戦に勝つために、サプライチェーンを短期間で整備する必要がありました。
ノバルティス・リンガスキディ(NRL)は、医薬品成分(API)の生産工場を持っており、こ のプロジェクトのために主要製品の新しい生産プロセスの立上げと検証が必要でした。
この新しいプロセスは、化学的にも装置的にも同社が過去に導入した中で最も複雑なものでした。さらにこの薬に必要な成分の生成にかかる数週間の期間を短縮しなければなりませんでした。
最初のロットでは、品質は満たしていましたが、製造量の目標には足りませんでした。さらに上流からの材料供給を確保するためにも、歩留まりの問題を迅速に改善する必要がありました。
この問題に取り組むために、同社の 100 人以上の従業員が KT の「トラブル問題解決コース(ATS)」のトレーニングを受講しました。彼らは学んだスキルを検証すべく、即座にこのプロジェクトに適用し、この共通の手法と言語を使って、問題の明確化、分析、原因究明をおこなったのです。
プログラムリーダーのPat O’Sullivanは、プロセス化学者、プロセスエンジニア、工場長、生産管理者、コンサルタントからなる組織横断的な問題解決チームをリードしました。チームは、歩留まり問題の解決に向けて結束し、ATS プロセスに従い、手書きや電子 的な生産記録とそのトレンド、開発報告書、生産シフトログ等、さまざまなデータを使っ て体系的に原因を特定し、プロセスの修正をおこないました。数週間後、最初のロット が完成すると、製造量の目標も達成していたのです。プロセス検証は記録的なスピードで完了しました。
サプライチェーンは確保され、同社は市場競争に勝つことができました。シェアを拡大し、売上は 20%伸び、その後、歩留まり問題が再発することはありませんでした。
スコアカード
- 記録的な速さで行われた新生産プロセスの検証
- 市場シェアの拡大
- 製品売上げ 20%アップ
- 歩留まり問題の再発はなし
- ケプナー・トリゴー・インターナショナル・ラショナルプロセス・アチーブメント賞の大賞を受賞