クライアント
Microsoftのカスタマー・サービス&サポート(CSS)は、世界中のお客様がマイクロソフトの製品やサービスを最大限に活用できるよう、41の言語、191の国でサポートを提供しています。CSSの技術者やカスタマー・サービスの専門家は、お客様がどのように製品やサービス、デバイスを使用しているかについて独自の見解を持っており、それをMicrosoftの製品全体の改善に反映させています。
2014年にMicrosoftの指揮を執ったSatya Nadella CEOは、「Growth Mindset」戦略を打ち出し、文化的に顧客満足度にこだわり、生涯学習に取り組むことの重要性を強調しました。それ以来、企業価値は約3倍になり、CSSはケプナー・トリゴーと提携し、「ゴールド・スタンダード」と呼ばれるKTプロセスを問題解決に組み込むことで、お客様により良いサービスを提供しています。トレーニングとアプリケーションに特化したコーチングの組み合わせを皮切りに、MicrosoftはKTプロセスをCSSのシステムと指標に世界中で統合しています。
プロジェクト
Microsoftはケプナー・トリゴーに、一連の合理的なプロセスの導入を依頼しました。これにより、CSSのエンジニアや関係者は、問題の切り分け、明確化、優先順位付けを成功させ、正確かつ迅速にお客様の問題の根本原因を見つけ、最善の次のステップを決定し、将来のお客様の懸念を最小限に抑えることができるようになりました。ケプナー・トリゴーは、CSSがお客様の問題をより効果的かつ効率的に解決するために、一貫性のある再現可能なアプローチを提供し、お客様を大切にする文化を発展させるというSatyaの戦略を実現しました。
主な目標
- 解決までの所要日数の短縮
- TMPI(Time Minutes per Incident/Net Effort)の削減
- 顧客満足度の向上
- チーム・コラボレーションの向上
- お客様を大切にする心の涵養
- ワールド・クラスのケース・ハンドリングの実現
初期結果
CSSのお客様に対するKTトレーニングとサポート・プロジェクトの影響を測定するために、ワークショップの12週間前と12週間後に主要な指標を記録しました。
1年目にトータルで改善した結果
- 所要日数の問題1件あたり平均約1日の短縮
- TMPIの問題1件あたり平均約27分の減少
- 顧客満足度の向上
トレーニングを超えて
KTプログラムは、お客様に世界クラスのサポートを提供するというCSSのコミットメントを強化するものです。このワークショップには、様々なサポート・ユニットから参加者が集まり、エンジニアやマネージャーが皆と経験を共有することができました。また、KTトレーニングは、現場でのコーチングや認証、現地でのマネジメント・セッションによってサポートされ、職場での意識を高め、新しい行動を強化しています。
Microsoftでは、効率性への影響や顧客感情の測定に加えて、プログラムに対する従業員の満足度も把握しています。KTワークショップは、受講したエンジニアやマネージャーから92%の支持率を得ています。
楽しくて勉強になる内容、非常に優れたファシリテーターとトレーナー、そして多様性に富んだ素晴らしいグループ。熱心な意見交換ができ、私にとってはかけがえのない経験となりました。
ワークショップは対話形式で行われたため、これまで参加したどのワークショップやトレーニングよりも楽しいものでした。他のチームの人たちと交流し、一緒に仕事をする機会を得ることができました。
お客様重視の姿勢を貫く
CSSは、Microsoftのケース・スタディを社内のKTチャンピオンに提供し、高度なプロセス適用を学ぶことで、さらなる改善を推進しています。また、デジタル・バッジによる表彰制度や、KTプロセスの適用事例を紹介するSharepointサイトやニュースレターなど、事業部や拠点を超えてKTプロセスの知識や知見を共有する多様な機会を提供しています。
CSSでは、ケプナー・トリゴーのテンプレートをサービス・ツールに統合し、ワークフローにおけるKTプロセスの適用を文書化することで、より良いコミュニケーション、引き継ぎを可能にしています。このように、KTプロセスを用いたトレーニング、コーチング、統合化、報奨を通じたカスタマー・エクスペリエンスの向上という強固なアプローチは、CSSに完全に受け入れられています。
その結果、7,000人以上のCSSのメンバーがKTプロセス・ツールを使用して、解決までの時間を最小限に抑え、顧客満足度を最大化し、顧客志向の考え方を新たなレベルにまで高めることができ、その結果、Microsoftのお客様により良いサポート体験を提供することができるようになりました。