クライアント
総合 OA・電子機器メーカーの株式会社リコー
課題
総合 OA・電子機器メーカーの株式会社リコーは、わずか 5 年の間に、米国、カナダ、ラテンアメリカの会社 5 社を買収して企業規模が倍増しました。しかし、それに伴い保険契約の重複が発生し、組織開発担当副社長で KT プログラムリーダーでもあるRay Mikoは、この問題に対応するためのリスク管理調査チームを任されました。Rayは、買収による人員整理と組織構造の変化に伴い、チームのメンバーが自由に客観的な話ができなくなっていると感じました。また、既存のしがらみと保険のカバー範囲へのこだわりが変化を難しくしていたのです。
ソリューション
KT-PSDM(問題解決と意思決定)プロセスは、課題に客観性、秩序、スピードをもたらしました。チームは SA(状況把握)プロセスにより現状の保険適用範囲を理解し、DA(決定分析)プロセスで最適な保険会社を選定しました。Rayは、KT-PMW(プロジェクトマネジメント)を使って各フェーズの取り組みを管理し、プロジェクトを順調に進めました。 SA プロセスにより、既存の補償範囲が十分でないことが判明したため、次のような決 定ステートメントを作成しました。 「コスト、補償範囲、管理の観点から最適な保険契約の組み合わせを決定する」。 DA プロセスでは、意見の対立を克服し、関係性を築き、保険会社の MUST と WANT の条件について素早く合意して、海上保険と損害保険ごとに 1 社ずつ選択しました。
成果
これにより、初年度に 1 億 4000 万円、2 年目に 3300 万円のコスト削減をしつつ、優れた補償範囲を実現できました。さらに、状況把握の時に補償金固定契約に変えることで手数料を削減できることに気が付き、870 万円節減できました。KT プロセスを使って、適切な人が適切なタイミングで関与することで、想定をはるかに上回るコスト削減ができたのです。この金額を同社の税引き後純利益に基づいて逆算するとおよそ 137 億 5000万円の売上に相当することが判りました。
スコアカード
- 保険料を 18%削減、初年度に 1億 4000 万円
- 2 年目に 3300 万円 のコスト削減
- 手数料 870 万円の削減
- 契約保険会社の数を減らし、補償 範囲を拡大
- 部門間の協力促進